雨やどり


管理人室 -- 日記 -- 2024/08
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2024/08/30 言葉
2024/08/28 わたしたちの魔法
2024/08/27 自由研究着手宣言
2024/08/25 サマー・クリスマス
2024/08/20 月を見て思ったこと
2024/08/07 離れていくもの
2024/08/02 ビー玉

2024/08/30 言葉

 求められてないし求めていないのに、余計なこと言っちゃったな。自分きもちわる。…この話と関係ないけど、自分のこと自分呼びするの、野球部男子みたい(偏見)で笑っちゃった。

 小さい人に「毎日ピアノ練習するの?」って聞かれたから、そうだよって言ったら、「だから上手なんだね~」って言われた。なんだかうれしくて、うん!って答えた。中くらいの人が、学校の友達と連弾をしていて(文化祭で弾くかもしれないらしい)、レッスンに来たときわたしが友達のパートを代わりに弾いて合わせてみた。弾き終えて「お~~!」って言うから、この曲かっこいいねって言ったら、「ていうか先生上手」だって。えへへ。
 だからってみんなが、じぶんも練習したら上手になるとかいう発想にはなっていないと思う。ただ、先生は練習したから上手なんだって思ってその姿を見ているだけ。教室を始めてから、自分がやってきたことしかできないんだという気持ちがずっとある。わたしがやってきたこととは、ピアノを弾き続けてピアノがずっと好きだったってこと。練習も嫌だと思ったことがない。もちろん、うまくいかなかったり悔しかったりすることもあったけど。そんなわたしと関わって、みんなに何か影響があるかもしれないしないかもしれない。わたしの勝手でだれかに影響することはできない。しようとしたら、それは余計なことだと思う。
 むかし友達が手でカエルをつくってみせたとき、そこにいたみんなで「それどうやるの?」ってやってみた。そんな感じなんだと思う。先生ピアノ上手!どうやってるの?みたいな。いろいろな事情があるけど、いつまでも根っこのところはそうでありたい。

 昨日、ある子がお土産にクッキーをくれた。一枚ずつ包装されていて、まさにおみやげって感じのパッケージの。それを、小さな透明の袋に入れてクロミちゃんのシールでとめて渡してくれた。このささやかな心遣いに、そういう子だよねあなたは、と思った。そういうことを自然にやっちゃうの。ほかの子が同じことをしても同じようには思わないと思う。かわいくしてあるな~とか思うかもしれない(それはそれでその子らしいなって思うんだろうな)。この子から初めてもらったおみやげに、そういうとこが好きだよと思った。好きだと思ったし、うれしかった。
 みんなに対して、心の中でいろいろなことを思っている。ピアノを聴いて、話していて、手を振って、そういうところ好きだよっていつも思っている。でも、思っているばかりで口にすることって少ない。上手にできないから。できないのにたまにしようとして、やっぱりうまくできなくて、そのたびとても、とっても、いやになる。

 伝えるということ。人前で音楽をする時、わたしの演奏であることが理由にならなければいいと思っている。数年前に、演奏を聴いてくれた知らない人が「いい曲ですね」と言ってくれたのは、すごくうれしかった。もうその音楽はその人のものだから。わたしという人間のことは覚えていてくれるかもしれないけれど、その人が持ち帰った音楽は、もうわたしのものではない。
 言葉はどうかしら。ある言葉をその人が手に入れるとき、その言葉がわたしから発せられたものでいいのか、自信がない。ただ、好きだよって言えればいいんだけどね。できないの。それで黙っているか、勇気をふりしぼって口を開けば余計なことばかり言っちゃった気がして落ち込む。言葉によって、自分やだれかを試しているような気がしてきちゃう。だけど、少しでも、わたしの存在とは関係なく届いていたらいいなと願ってしまう。
 音にしても言葉にしても、届いたらわたしのものじゃないなんて無責任だと思われるかもしれないけれど、だからこそいつも気をつけていなくちゃと思うのです。

2024/08/28 わたしたちの魔法

 これまで、わたしたちが強くいられた理由がわかった。
 岡田淳さんの『こそあどの森のないしょの時間』をようやく読んだ。刊行されてすぐ手に入れたのにいろいろで読めていなくて、ようやく今日読めた。うれしい。わたしはもう、心の中でいつでも彼らとは会えるのだけれど、岡田淳さんもそうだということが。そんなことは当たり前? だけど、わたしが心の中で会うこそあどの森の住人たちが今も変わらずそこにいるんだってことを、岡田淳さんの言葉で再び信じなおすことができた。信じなくなっていたわけじゃない。何度でも、本当にいるんだって思っているの。
 そんなことを考えていたら、これだと思った。ファンタジーという言葉で表すよりももっと身近に、いつもわたしたちがいる世界に見えていないだけのものがある。そのことを当たり前のように信じてきた。だから、わたしたちは強かったんだ!
 以前、テレビ番組で角野栄子さんが「みんな何かひとつは魔法を持っている」とおっしゃっていた。「見つからない人もいるけれど、見つけたら諦めないで」と。そんな内容のお話をしていたのを思い出した。見えていないだけで絶対にある世界を知っているし、そこにいる人々とも親しい。そのことが、わたしたちが持っている魔法だったのだと思う。
 強くないって思うかもしれない。わたしだって自分のこと強いなんて今まで思えなかったし、今だって強いって言ってみてるけどそんなことないかもしれない。だけど少なくとも、この魔法を持っているあなたをすごくすてきだって思った。

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2024/08/27 自由研究着手宣言

 4年前に東京都の夕方の防災無線タイムを研究した(管理人室→自由研究のページでも公開してる)。その長野県版に着手することを決意した。
 流れとしては… ①市町村ごとの時刻と曲目の調査。各市町村のHPなど。 ②音源を探す。主にYouTubeにお世話になる。調性とテンポ、音色などを記録。 ③音源が入手できなかったところの現地調査。
 ひとまず①と②から進める。今回はテンポにも注目することにした。地域性(私感による)とも絡めて考察したい。③は夕方が暇な日が少なくて時間がかかりそう…。空いている日曜日にでも音源取集ツアーを企画するか。放送時刻の違いを利用して、2~3市町村ずつ回れるかな。あとは、友達や知り合いの協力を仰ぐ。
 大まじめで本気です。

2024/08/25 サマー・クリスマス

 しずかに、ささやかに、夏のクリスマスをした。→ロクガ
 まだまだ暑いけれど、夏はちゃんと終わっていく感じがする。花火は今日でおしまい。足のネイルシールもはがした。次の夏が来るまでは、夏のことを忘れて暮らす。
 この夏は、たくさんの人に会った。いろんな人を見て、わたしのある時代も終わっていく感じがした。
 この夏は、つくった歌20曲ちゅう10曲ぶん(今日時点。残りもそのうち)の音源を録った。歌|雨やどり(保管庫)←歌詞とコード。sound...から音源も聴けます。
 この夏は、思っていたよりたくさんの人とお別れした。物理的にまたは精神的に。未来を想像した人ともお別れした。想像なんてしなきゃよかったナ! と言いつつまだまだしちゃいそうになってる…

2024/08/20 月を見て思ったこと

 この場所からあなたの住む町まで行って自分の故郷を通って再びこの場所まで、ぐるっと繋がっている。だから、この道をずっと行けば心強い人やもの、場所がいてくれるんだ。あの時、そう言って励ましてくれたことを思い出した。わたしもそのうちのひとりでありたいと思った。それにふさわしい姿でいようと決めた。同時に、これからはこうやって一人で生きていかなくちゃいけないんだとも思った。
 だれかと一緒にいる未来を想像してみる。悪くないなと思う。ついさっき外に出たとき、月がとてもきれいだった。月がすごいよ、なんて遠くの誰にも言わないけれど、そばにいてくれる人には言うかもしれないと思った。悪くない。だけど、そんな日々の中でも変わらず、一人でみんなに会いに行けるかしら。
 そもそも、何の約束もルールもなしに、だれかと一緒にいる未来にたどり着くことができるのか。ルールに沿って思い出が重ねられていく。そうやって積み重ねられていくことが嫌で、思い出にせずにちゃんと覚えていることにした。2年くらい前につくった「日ようびの公園で」という歌はその決意のつもりだった。
 考えていることと本当に思っていることは時に違うもので、ここまで書いたことはすべて本心かと問われたら、はいと即答できない。言葉は常に疑っていなくてはいけない。特に自分が発した言葉は。本当はあの時、そばにいてほしかったのかもしれない。本当は、ありきたりな道をだれかと歩いてみたかったのかもしれない。でも、仮にそうしたかったとしても、わたしには上手にできなかっただろうなと思う。なくてもいいルールをつくってそれに縛られちゃうという話はわたしのことだと、自分でよくわかっている。
 今、もしも上手にできるなら、悪くない未来を夢見てもいいのでは?なんて、思ってしまった。どうなるかしら。大抵のことはあとになってわかる。今日の月だって、眺めている時はそうとは知らず、あとで満月だと知った。

2024/08/07 離れていくもの

 何かのためにほかの何かを手ばなすわけではない。離れていくものは私の意思とは関係がない。だから、離れていくものを目の前にしたとき、態度を変えることはなかった。あとでこっそり悲しんだりはしたけれど。ただ握っていただけの何かを手ばなしたところで、それがどこへ飛んでいくかはそのものの自由だし(自由って言い方はなんだか勝手な気もする)。
 少しずつこういうことが増えてきて、これからもまた増えていくんだろうなぁと思う。想像していた未来が来ないと分かって寂しくなった。それで最近は、小さい人たちが未来の話をした時、わたしも一緒にそこにいる姿が想像できなくなった。みんなが話す未来はきっとその時になってみて初めて気づくのであって、もしかしたらその日は来ないかもしれない。なんにせよ、つまらない人間にだけは絶対にならないで待ちたいなと思う。

2024/08/02 ビー玉

 昨日まで東京にいた。おそらく8年くらいぶりの再会だった。何も変わっていなくて嬉しかった。もう会えないと思っていたから、会えて、覚えていてくれて嬉しかった。会わないでいたから、あの宝物みたいな日の続きができたのだろうか。あの日からもずっと会っていたら、何かを積み重ねていただろうか。
 誰とも何も積み重ねてきたつもりはない。みんなと会うたびに出会いなおしていたかった。決められた道を歩いて行くのではない。散歩の途中でみんなと会いたかった。(本当は、そうしたかったのではなく、そうするしかなかったのだと思う。つよがりなので。)
 2017年と2018年の手帳を開いた。初めて会った日の日記。帰りの電車で走り書きした日記。雨の水曜日の日記。ひとりの夜に書いた日記。うつくしい光たち! いろんなことが変わった。変わらないで続いていたと思っていたいろんなことも、ちゃんと変わっていた。そして、思ったよりもそれらをぎゅっと握りしめていた。
 歌ができた。ただゆらゆらと湧いてきたことばとおとは、わたしの本当の心かもわからない。一度すべての光を手ばなしたい。それでも忘れずにいられるかしら。あの頃の手帳に書かれた「いつか話したい」という「いつか」は、いまだに来ない。あの時に思った「いつか」はたぶん今わたしのいる時間とは違う世界にある。日向のベンチに置いてあるそれを、ドキドキしながら見つけたい!

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